株式会社とは何なのかを知ろう

  1. 株主を役員の関係をきちんとおさえる
  2. 株式会社の意思決定は株主総会でおこなわれる

営利目的のためにつくられた法人である会社には株式会社、有限会社、合資会社、合名会社といくつかの種類がありますが本書は株式会社の設立ですので株式会社についてより詳しく解説していきます。

  • (1)誤解されている株主と役員の関係
  • 多くの人に理解されにくいのが株主と取締役の関係です。みなさんの中にも企業の株式を保有されているひとは多いと思いますが株主とは株式会社にお金を出す(出資)人のことです。そして取締役(代表取締役を含む)とは株主とは、株主から経営を任された人たちのことをいうのです。
    この基本的なことを理解していないがために混乱することが多いのです、なぜならば小規模の会社は株主も取締役も同じであることが多いからです。
    みなさんに中に自分で出資して自分が代表取締役となって株式会社を設立しようとしている人もいるかと思いますが原則として株主は出資する人、取締役はその株主に経営を任された人になります。株式会社は有限責任だから安心と解説している本もたくさんありますが安心なのは株主の地位だけです。株主は出資した金額しか責任を負わない有限責任です。
    ところが取締役は経営の責任を負います。一人出資、一人取締役の会社株主としての責任は出資額だけなので安心かもしれませんが、取締役としての責任は重大です。この点を混同しがちなので注意してください。

    (2)株式会社のしくみをさくっと理解しよう

    株式会社の構造を簡単に解説します。まずは全株主によって構成される株主総会があります。
    株主総会は会社の最高意思決定機関であり会社についての事項はここで決定されます。取締役の選任も株主総会で行われます。選任された取締役は取締役会で会社の業務執行について決議し経営責任を負います。
    この基本的な構造は一人出資、一人取締役の会社でもかわりません。これから株式会社を設立しようと考えているならばこの構造を理解しておいてください。
    なお株式会社の役員に監査役と呼ばれるものがあります。監査役とは会社の会計や取締役を監査し株主の利益を保護する役割をもった役員のことをいいます。
    新会社法では株式に譲渡制限を設けている会社の取締役会設置が任意となり取締役会を設置しない会社は監査役の設置が任意になりました。そのため小規模の会社では監査役を置かないケースが多いと思います。この点も合わせて覚えておくといいでしょう。なお新会社法では会計参与という機関が親切されました。会計参与とは取締役と共同して会社の会計業務を行うものとなっています。